台湾で最も有名な神社「紫南宮」は、神様の銀行

台中の南投県竹山に「紫南宮」という神社があります。
入り口では、金運アップの鶏のオブジェがお出迎えしてくれます。
ここは、誰にでもお金を貸してくれることでとても有名な神社で、台湾全土からお参りにやって来ます。
旧正月には「銭母」と呼ばれるお守りが配布され、それを求める人たちで、毎年何キロもの渋滞が起きるそうです。

お金を貸し出すようになったのは、1945年の台湾統治が終わった頃。
銀行からお金を借りることもままならなかった人々は生活に困窮し、
そんなとき神社が、信用だけを担保にお金を貸してくれたのが始まりなんだとか。
現在もその風習が残っていて、借りたお金を商売や勉学の一部に使い、あるいはそのお金を運用し、
利益を出して神社に返すのだそうです。
返済期限がないにも関わらず、ほどんどの人は一年以内に返済し、
さらに感謝の気持ちをお礼金というカタチで返してくるため、
貸した額よりも増えて戻ってくるといいます。

この風習が今もなお続いているのは、台湾の人たちの信仰心と真面目さ、
そして、苦しい時はお互い様という、心根ゆえなのでしょう。

この地に住む友人から言われました。
「日本人も、もっと大らかに生きられるといいよね」
予期しない言葉に一瞬複雑な気持ちになりましたが、素直に「そうだね」と返していました。

 

 

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